第5章 ご主人様のお気に召すまま【前編】
私の彼氏の五条悟は独占欲が強い。
もう、重症で手の施しようがないと思う。
彼が初めて「手放したくない」って思った女性は私だけらしく、軽い気持ちで交際を始めたが最後、執着されて心身ともに溺愛される毎日が待っていた。
それはまるで、幼い少女が気に入った人形を盲目的に可愛がるように、胸焼けがするほどの愛情をひたすら与えられる。
いつかは飽きがくると思っていたのも望み薄。
気がついた時にはすべて外堀を埋められ、逃げる術は無くなっていた。
「悟、何か欲しいものはない?」
「えー、ゆめか」
「もう……誕生日の話だってば」
このやり取りはテンプレート。
コーヒーをカップに淹れながら、悟に再度欲しい物を問うと、私と一緒に過ごす時間が欲しいと返された。
私が呪詛師に命を狙われないように、帰宅したら悟の監視下で過ごしているというのに、改めて一緒に過ごしたいとはこれ如何に。
悟が出張中の時は医務室に隣接している仮眠室にお邪魔させてもらっている。
ちなみに、硝子はすでに悟に買収されていたので、彼女にも監視されている。
去年、悟の誕生日は私からのメイドプレイでご奉仕して、その次にきた私の誕生日には悟の執事プレイで犯し尽くされた。
今年も私の頭を悩ませる彼氏の誕生日プレゼント。
→