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【呪術廻戦】私と坊やと、晴れのち○○

第1章 私と坊やと、雨のち雨。






厭らしい笑みを浮かべながら私は坊やの瞳を見つめる。
少しだけ困ったような表情をする坊やを見て、ああ、この子はまだ子供なんだなと当たり前の事を思った。

どんなに最強だとか言われても、次期当主だとか言われても。
坊やはまだ4歳。
意地悪な事を言った私の方がよほど餓鬼だ。
自分の人生があまりにもクソ過ぎて小さくか弱い存在に八つ当たりをしてしまった。

私は、目の前で視線を泳がせる次期当主に腕を伸ばし、その小さな身体を抱きしめた。
周りがどよめく。
一体何してくれとんじゃ、ワレェ!!みたいな感じだろうか。
耳障りなBGMをよそに、私は坊やをぎゅっと抱きしめた。
子供体温の坊やの身体はあったかくて、冷たい雨が降って肌寒い気温だと言うのに、私たちの間だけは気温が5度くらい上がったような気がした。

「坊やのために死んだりなんかしませんよ、私は。私は私のために死にます」
「……ん」

小さな声が耳元で聞こえた。
どこか安心しきったような、それでいてどこか嬉しそうな。
坊やの小さな腕が私の首に回された。
その様子を見ていた周りの喧騒は一気に静まり返る。






暁14歳、五条悟坊や4歳。
大雨の降る6月の午後。
私と坊やはこうして出会った。







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