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人魚姫【文スト/中原中也】

第7章 守るモノ


そうだ、寂しいのは俺だけじゃねェ。

もきっと寂しがっている筈だ。

彼奴は普段ワガママを全く云わねェし、甘えてくることもない。

きっと俺を困らせないようにしているのだろう。

だが、やはり可愛い彼女からはワガママを云われたいものなのだ。
彼氏としての特権だから。

然し、全てのワガママに応えることは出来ないのも事実。

逢えない時でも俺を思い出して欲しいと思った。

「ネックレス、、、買ってやりたいです。」

紅葉「いいじゃないかぇ、きっと女子も喜ぶはずじゃ。」

ということで早速姐さんの付き添いの元、ジュエリーショップへと足を運んだ。

あまり時間がないので、素早く店内を周りにぴったりのモノを探す。

そこで見つけたのだ、、、、。


「これ、見せてくれ。」

小さな花のチャームの中心に淡いブルーの石が埋め込まれているネックレスだった。

店員によるとこのブルーの石はアクアマリンらしく、別名人魚の涙ともいうらしいのだ。

にぴったりだと思った。

一目見て気に入り、早速購入をした。


紅葉「ふふ、善いモノが見つかって善かったのぉ。」

「はい、姐さん態々付き添いありがとうございます!」

紅葉「構わぬ、それにしても主は本当に女子にぞっこんじゃのぉ。」

「え?」

紅葉「ネックレスと選んでいる時の主の顔はかなり緩んでおったぞ?」


「ッ////揶揄わないでください。」


紅葉「ふふ、愛のう。」


まさかこの場面をに見られていたとは思わなかった。


結局、今日も残業コースだ。
に贈呈品を渡せるのはもう少し先になりそうだ、、、。

置いておくのもなんなんだったので、ポケットに仕舞い込んだ。

何となくを近くで感じれる気がしたからだ。


そして、、、

ついに澁澤が動き始めたのだ。



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