第1章 出逢いと再会
---7年後
「あーっ、糞っ!!あの野郎、ぜってェ俺が殺してやる。」
糞太宰をぶっ殺すチャンスを逃した。
然も、いつもの如くあの野郎の手のひらで転がされていたのだ。
気分転換も兼ねて、久しぶりにヨコハマの街をぶらついていた時だ。
突然、街中にクラクションが鳴り響いた。
音の方向へ目をやった。
歩道は青信号、餓鬼が1人歩道を走り出していた。
車道は赤信号だが、車は無視して走っていた。
クラクションを鳴らし続けるが、餓鬼は気付かない。
「糞、、、」
やっと車に気付いた餓鬼は吃驚したのか、動けなくなっていた。
身体が勝手に動いた。
突然、餓鬼を庇うように1人の女が覆い被さったのだ。
慌てて俺は重力操作で車を止めた。
運転手「おいおい、兄ちゃん何してくれてんだ!車ヘコんでんじゃねぇか!!弁償だな、俺は岳田組の人間だ。さっさと金払った方が身のためだぜ?」
岳田組?そこはうちの傘下じゃねぇか。
「手前、誰に口聞いてんだ?」
運転手「あ"あ"??生意気な餓鬼だな?」
男A「申し訳ございません!!!!!」
突然車から1人の男が飛び出してきた。
運転手「何謝ってんだ!こんな餓鬼に」
男A「兄貴っ!!なに云ってるんですか!!!この方は中原中也さんじゃないですか!!!」
男の言葉に突然顔色を変えた運転手。
運転手「も、申し訳ございませんでした!!!」
「手前のやったことはしっかりと報告させてもらうぜ。次またこんなことやったら生きていられると思うなよ。」
運転手「は、はい!!!2度とこんな事しません!!!誠に申し訳ございませんでした!!!」
男どもはそそくさと逃げて行った。
後ろにいる女と餓鬼に声をかけた。
「おい、大丈夫か?、、、、ッ///」
女の顔を見て一瞬、息を呑んだ。
ベージュ色のウェーブがかかった髪、エメラルドグリーンの瞳を持った美しい女だった。
もしかして彼女が、、、、、
固まっちまった俺を不思議に思ったのか、彼女は不思議そうな顔をしていた。
「あっ、いや、、、怪我とかねェか?」
俺の問いに彼女は頷いた。