• テキストサイズ

人魚姫【文スト/中原中也】

第3章 恋の始まり


"国木田さん、態々すみません。"

国木田「気にするな、お前は探偵社の大事な仲間だからな。それじゃ俺は事務所に戻る。仕事頑張れよ!」

そう云って国木田さんは去って行った。

国木田さんは背も高く、顔も格好いいし、紳士的だ。
何故彼女が出来ないのか不思議だったのだが、彼の理想の女性を聞いた時は正直ドン引きした。

本当に勿体無いと思う。

そんなことを考えながら仕事へ向かった。

教室へ入るとタケルくんに裾を掴まれた。

"どうしたの?"

タケル "さっきの男の人誰?彼氏?"

まさか国木田さんを見られていたなんて、、、。

タケルくんにはお友達と伝えた。

それだけ確認するとタケルくんは何故か安心した顔をして友達の輪に戻って行った。

何故そんなことを気にしているのだろう、、、。

少し不思議に思ったが、あまり気に留めなかった。


そして仕事が終わり、帰る時間帯になった。

ソワソワする気持ちを落ち着かせ、中原さんを待っていると時間ぴったりに彼は迎えにきてくれた。

「悪りぃ、待たせちまったな!」

"全然!時間ピッタリです。本当にありがとうございます。"

「そうか!気にすんな、ほら乗れ!」

車に乗り込むとゆっくりと走り出した。

「なぁ、ストーカー野郎に心当たりはねぇのか?ほら手前美人だしよ、勘違いする奴いるだろ?」


犯人は太宰さんだったのだが判らないと伝え、美人ではないと訂正しておいた。

「そうか、、、。手前自覚ねェのか?すげぇ美人だぜ。」

改めて面と向かって美人だと云われると凄く恥ずかしくなった。

お世辞でも嬉しかった。

"中原さんは女性を褒めるのがお上手ですね"

「お世辞じゃねェよ」

少しムスッとした顔になる中原さんが可愛くて笑ってしまった。

「なに笑ってんだよ」

"ムスッとした顔が可愛くて、つい。"

「可愛いって云われて喜ぶ男はいねェよ」

中原さんとの時間はあっという間だった。

お礼を伝え、車から降りようとした時だ、突然腕を掴まれた。

「心配だから朝も送る、ダメか?」

ダメなわけない、でも、、、

"そんな心配しなくても、大丈夫ですよ!お気持ちは嬉しいですけどこれ以上ご迷惑はかけれません。"


「迷惑なんかじゃねェ」


/ 82ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp