第1章 【シン】恋と狂宴【R18】
嬉しそうに微笑むシンは私の下腹部に手のひらを置いて、くっと押した。
「……??」
「無意識か。中が締まったからなにか考えていたんだろ」
「うそ……」
そんな些細なことに気付くだなんて……一体どれほど女慣れしているんだ、と少し腹が立った。
「で? なにを考えた?」
「べつに……」
なんだか教えるのも癪に触るので、私は精一杯に意地悪で返した。
「ほぉ? いいのか、そんな態度で。俺はしつこいぞ」
「どうするつもり」
「もちろん……こうする」
「あぁっ!」
私の腰をがっちりと掴むと、さっきよりも早いリズムで腰を動かし始めた。その律動に全身が反応を示す。
「やぁ、だめぇ…シン……これ、や、だぁ……動いちゃ……やぁぁっ♡」
「ははっ、それは無理だな……動かないとずっとこのままだが? それでもいいのか?」
「ひっ……や、う、そぉ……あぁっ、んっ……シン♡……」
「ここにいる」
私の手がシンを求めて宙を舞う。その手にガッチリと手を絡めてきてくれて、私の上に覆い被さった。視界はシンでいっぱいになる。
「シ、ン……あ、んんんっ……シン……」
「あぁ」
私を安心させるかのように優しいキスで私を宥める。小鳥のように優しいキスと獣のように激しいピストン。シンの獰猛さと優しさを一度に味わっている気分。
「はっ、あっ、そ……やぁ、なんか……やっ、だぁ……」
腰が浮くその場所を、シンが見過ごすはずなんてなかった。
「ここが好きか」
「やだ……やだやだ、シン……んんっ、だめっ♡」
「大丈夫だ。そのまま感じてろ」
「やぁぁ……シン、シン……ひっ、あぁ! おねがいっ……」
私は涙を流しながらお願いしていたが、なにをして欲しいかなんて分からない。ただ、体が、心が、シンを求めていた。
「シン……シンッ」
うわ言のように名前を呼び続ける私に、シンが目を細めて微笑む。
「はっ…可愛いな……名前」
「あっ…う、んんんっ! も、むりぃ……あ、あぁっ! そこ、やっ……だぁぁっ♡」
「そのままイっていい」
泣きじゃくる私にずっと寄り添い優しく囁き続けるシンの首に両腕を回し、ぎゅっと抱き締める。シンは頬に流れる涙を舌ですくい、頬にキスして大きくて太い腕を私の頭に回した。
包み込まれている安心感に、その腕に唇を近づけ甘噛みした。