第1章 【シン】恋と狂宴【R18】
少し上目遣いで私を見上げるシンの眼差し。それは愛おしいなにかを見つめる眼差しで、私の鼓動が高鳴った。
「そう思ってくれていい」
「そうって……」
肝心の言葉を言ってくれないシンに私はムッと頬を膨らませた。
「そうってなに? ちゃんと言ってくれなきゃわからないよ、シン」
「なんだ、言って欲しかったのか」
「そ…れは、そうでしょ」
「お前は?」
「私?」
「お前はどうなんだ」
私の答えなんて分かってるはずなのに、わざと聞いてくる。やっぱり腹が立つ。
「さぁ、ね。私が聞いたんだからあなたが先だよ。言わないなら私も言わない」
プイっと拗ねると、フンっと鼻で笑ったシンは満足そうな笑みで私に近づき下唇に噛みついた。
「ひたっ!……なにするっ……」
ペロっとその下唇を舐められる。
「好きだ」
「へ…」
さらっと囁かれた愛の言葉に一瞬、時が止まった。いま、なんて? 好きって言った? ほんとに?
信じられないという目でシンを見ると、なんだ?と片眉を上げて聞かれる。
「ほんとに?」
「嘘だと言って欲しいのか」
「違うけど……なんだか信じられなくて」
「なにがだ?」
「あなたが私を好きだって……」
あり得ないと思ってた。暗点のボスとして生きてきた彼に、なにかを愛する気持ちが芽生えることはないと勝手に思い込んでいた。今思えば、とても失礼なことだけど。
「あり得ないと思ってるだろ」
「うっ……」
「それくらいわかる。で、お前は?」
「あ、その……」
いざ言葉にしようと思うと言葉が詰まる。顔が熱く真っ赤になっているとわかり俯くと、その顎を指で持ち上げられる。
「言え」
「うぅ……なんか、ずるい」
「早く言え」
高圧的な態度でさえも嫌じゃない。心を鷲掴みにされた気分。
「言わないと後悔するぞ」
「後悔?」
何が?と思っている矢先に、下から急に奥を突き上げられた。
「やあぁぁっ! ちょっとまって、シン」
「待たない、早く言え」
「あ、あ、あっ……い、言うかっ、らぁ……まって……っふぁっ!」
必死になってシンの首にしがみつき、その波に耐える。
「ひっ…んっ、あっ……やぁっ、あっ……」
お尻を大きな手で掴まれ、遠慮なしに串刺しにされて正気ではいられなくなる。