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リクエスト 裏短編集♡

第4章 七海健人  覚悟


ああやって約束をしたものの

お互い忙しくて中々休みを取ることすらままならないまま数ヶ月が過ぎていったある日




呪術連盟の上層部の人達との会議帰り

悟と2人で夜道を歩いていた




「あいつらもホント、嫌になるよね〜!会議だなんだって理由つけてはを呼び出して‥ただ会いたいだけってのが丸見えなんだよね〜」



『ええっ?そんな事ないよ〜!』



「ほんと鈍感なんだから‥だからこうして、僕が呼ばれてもないのに馳せ参じてるんだけどね」



『でも‥重要な内容だからって‥』



「1人で来させようとするのがいやらしいよね〜ほんと、嫌になっちゃうよ」




確かに
硝子ちゃんは呼ばれていないのに私だけ本部に呼び出される事が多いから
不思議には思っていたけど



なんでこんなただの呪術師の私を上の人達が呼び出す理由も全然わからなかった




『悟‥いつも忙しいのに着いてきてもらっちゃってごめんね‥』




背の高い悟を見上げた途端




「っ!?」




『〜っ?!』






悟が異変を感じて手を伸ばしてくれたのに



ぐらりと揺れる床に足を取られて反応が一瞬遅れてしまい

何かの領域の中に2人共閉じ込められてしまった





『さ‥悟‥ごめんなさいっ‥私の反応が遅かったばっかりに‥』




「いや‥待てよ‥‥‥この部屋‥‥」




無機質な真っ白の壁に囲まれた部屋


危害を与えるような領域ではないようだけど
どこか見覚えのある部屋





その一点を見つめて悟の足がぴたりと止まる




『悟‥?』




「媚薬を飲まないと出られない部屋‥ね」





『っ!!』





大きな背中越しに見えるテーブルを覗き込むと見覚えのある小さな沢山の瓶




あの日
閉じ込められた部屋にあったものと全く同じモノだった




『ここ‥出られないよね‥?』





あの日の身体の疼きを思い出してどくりと身体の血液が逆流するかのような感覚がする




まだ口にしてもいないのに
鼓動が早くなっていくのも分かる




あの日は七海くんが助けてくれたけど



今隣にいるのは悟で


私と同じで
お酒にとっても弱いから




このお薬もきっとダメなはず



悟を犠牲にするくらいなら





『私が、全部飲む』
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