第4章 七海健人 覚悟
七海side
「ははっ‥こんなに私に縋るさんを見るのは気分が良いですね‥」
『な‥っ‥‥七海っ‥‥ななみくんっ‥』
名前を呼ぶ愛しい声
ずっとこうしたかった
どこの誰だか知らないが
私とさんを閉じ込めてくれたことに感謝してしまいそうなほど
心も身体も幸福で満ち溢れていた
「おかしいですね‥あなたはたったの一本しか飲んでいないはずなのに‥」
血色のよいピンク色の唇に舌を捩じ込む
『んっ‥ぅう‥っ‥!』
「随分と淫らな身体ですね」
腰をもつ手を緩めると身体が下がって最奥に当たるのを感じる
気持ちが良くてゾクゾクとする
ただひたすらに
びくりと跳ねる身体をがっちりと捉えたまま何度も下から突き上げる
こんなに小さな身体で
欲望を搾り取るようにして絡みついてくる熱いナカは
言い表せようもない程の絶頂を何度も連れてきて
時間が経つのも忘れてただひたすらにお互いを求め合う
ベッドへ行く時間すらも惜しくて
玄関で愛し合ったまま
どれ程の時間が過ぎただろうか
くったりと力の抜けたさんが私にもたれ掛かる
止まることの知らない欲望を全て受け止めて
ついに気を失ったようだ
汗と欲に塗れた華奢な身体をベッドへと運ぶ
外はすっかりと夜が更けていて
いかに長い時間身体を重ね合っていたのか教えてくれる
それでもなお収まることのない熱くジンジンと痺れたままの身体
「これ以上無理をさせるわけにはいきませんね」
はだけた衣服を全て脱ぎ去って
シャワーのお湯を勢いよくだすと熱気に溢れる室内
すぐに扉を閉めて頭から熱いシャワーを浴びる
身体を重ね合った興奮はそのままに
心臓はいまだに大きな音を立てている
そんな自身を落ち着かせようと手に出したボディソープを泡立てるとふわりと香る甘い香り
その香りだけで蘇る先程までの快感
いまだ形を成したままの自身をゆるゆると右手で扱く
「は‥っ‥」
肌に残る柔らかな感触
声
顔
どれも思い出すだけでおかしくなりそうで
浴室から出た時にはさらに夜も深くなっていた