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リクエスト 裏短編集♡

第3章 両面宿難 終わらない続き


宿難side




雲がひいて



月が顔を出す





何年振りだろうか
視界が開けていく




開放感に満ち溢れて
笑いが止まらない





「あぁ‥やはり‥光は生で感じるに限るなぁ!」




身体に感じる血の流れ



久方振りに浴びる月夜の光



気分が良くなって辺りを見渡すと血溜まりの中倒れている女をみつける




肌のハリ
髪の艶


目を瞑っていても分かる整った顔




月明かりに照らされた華奢な身体

破れたシャツから見える肉付きのいい豊満な胸



真紅の血がより一層女の肌の白さを引き立てていた




命の灯火は消えかけていたが
溢れ出すオーラから分かる


負の感情というものがないのか




これほどまでに純粋で無垢な女は見た事がない





「気に入った‥この小娘は俺の女にしよう」





力の抜けた身体を抱きあげるとすでに身体からは血の気が引いて冷たくなり始めていた




柔らかな身体が肌に触れて
ポタポタと滴り落ちる血液が足元を染める





その血液ですら美しいと思わされる程この女は魅力的だった




今すぐに手に入れたら




どんな声で


顔で




俺に縋りついてくるのか




考えるだけで最高な気分だ





「早く目を覚ませ」






反転術式で傷を治すと浅く早かった呼吸がゆっくりと一定になり始めた







『‥‥すー‥すー‥』




そのまま眠ってしまったのか腕の中で穏やかに寝息を立て始める




「まぁいい‥今すぐにでもこの身体を抱い‥て‥っ?な‥に‥っ‥」





口付けを交わそうと顔を近付けると右手がグッと頬を引っ張った




乗っ取ったはずの小僧の声が聞こえる




「人の身体でちゃんに何してんだ‥返せ」




「お前‥なんで動ける?」




「いや‥俺の身体だし、早くちゃんを病院に」




腕の中の女の青白かった顔に血色が戻ってきて
頬が赤く染まっている


真っ白だった唇も紅をひいたかのように色を取り戻していた





見たところ
この小僧も



血だらけで倒れている奴も



この女に惚れているようだったから



俺のものだと見せつけてやろうかと思ったが





「抑えこまれる‥?」





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