第6章 乙骨憂太 君の全てに嫉妬する
遠くに聞こえるアラームの音
起きなきゃいけないけど
ベッドに沈むとっても気怠い身体
まだ目を瞑っていたいな‥
そのまま意識の奥底まで落ちて行こうとすると優しい声が聞こえてくる
「ちゃん‥朝だよ」
身体を優しく揺り起こされて
重たい瞼をふと開くと目の前には今にも泣きそうな顔をした乙骨くんがいた
無意識に手を伸ばして頬を撫でると
無理させてごめんっていいながら
大きな瞳からは涙が一筋頬を伝っていった
『わたしはぜんぜん大丈夫だよ‥?』
「大丈夫なんかじゃ‥ないっ‥‥任務も‥‥ちゃん1人にさせて‥‥挙句五条先生や七海さん‥‥狗巻くんにまで嫉妬して‥」
ぽろぽろと溢れ落ちる涙が止まらない
小さく震える身体
首筋に腕を回してそっと抱き寄せた
『大好き』
「ーっ?!」
『憂太のこと‥大好き』
私よりも随分と大きな身体をさらに抱き締める
『憂太の事、愛してるよ』
五条先生や七海さん、棘くんももちろん大好きだけど
乙骨くんだけに感じるこの特別な気持ち
普段恥ずかしくて中々伝えられないこの気持ちが全部
伝わるように
唇を重ね合わせた
「僕も‥愛してる」
何度も唇が重なり合って
どちらからともなく指を絡め合う
繋いだ手が熱くて
溶けちゃいそうなキスが気持ちが良くて
どくんと心臓が音を立てる
『んっ‥』
「はっ‥‥」
優しく細められた瞳は熱を帯びていて
見つめられるだけで息が上がりそう
『憂太っ‥‥』
「ちゃんっ‥‥」
段々と激しくなっていくキス
密着した身体にグイッと押し付けられる固いモノ
お腹の奥はきゅうっと締め付けられるような感覚になって
昨夜の激しくて甘い記憶が蘇る
『憂太っ‥‥お‥ねがい‥‥』
「どうしたの‥っ‥ちゃん‥苦しかった‥?」
なんとか声を上げると顔が離れていって
私を気遣うように優しく頭を撫でられる
その顔は熱を帯びながらも
何かに耐えるように少し苦しそうに歪んでいた