第6章 乙骨憂太 君の全てに嫉妬する
それからは慣れない事ばっかりだし
なんだかお店もとっても忙しいし
いろんなお席に呼ばれて慌ただしく時間が過ぎていった
疲れもあるし
慣れない場所
失敗出来ない任務の緊張感が長く続いて急に疲れがどっと出てきた
お酒を飲んでいないのになぜか顔がぽかぽかして
目を開けているのも精一杯なくらいの眠気がやってくる
ふと腕時計を見ると随分と夜遅い時間
任務がない時はとっくに眠っている時間だった
どおりで眠たいわけだけど
まだ潰れるわけにはいかない
「ごめんねっ!休憩出してあげたいんだけど今度はあっちのお客様から指名が入って‥」
『は‥はいっ‥全然大丈夫ですっ‥!』
とんとんと黒いスーツをきた男の人に肩を叩かれて周りをみるといつの間にか乙骨くんの姿が見当たらなくなっていた
「担当の黒服さん、ちょっと疲れてたから休憩でてもらってます!僕がつくんで宜しくお願いしますね」
『そうだったんですね!宜しくお願いします!』
にこりと笑うスーツの男の人の後をついて次のテーブルに案内されると見覚えのある顔に背筋がしゃんと伸びる
この人
さっき新幹線の中の資料で見た人だ
と言う事は今回のターゲット
なんとしてでも情報を聞き出さないといけない
「こちら常連のお客様で、ちゃんをみてご指名くださりました」
『あっ‥ありがとうございますっ!宜しくお願いしますっ‥!』
緊張して思わず言葉に詰まるとターゲットの男性が優しい笑顔でにこりと笑う
「気に入った‥僕の好みど真ん中だね‥‥今日はVIPルーム行かせてもらえるかな?」
「はい!ありがとうございます!それではVIPルームにご案内致しますね!」
そう言って案内してもらった個室はさっきまでの空間とはまた違う
さらにラグジュアリーな雰囲気で落ち着いた空間だった
「こんな子とお酒飲めるなんて今日は来てよかったなぁ」
隣に座るとあっという間に距離が詰められて
腰に手を回される
『私‥お酒飲めなくて‥すみません‥』
「すこしもだめ?」
『っ‥』
腰に回された手がさらに身体を引き寄せて
耳元で話されるから身体がびくりと反応してしまう