第4章 第二章「怪盗ヴァルツァー」
「……おい……」
「ん……うわぁぁああ!」
目を開けると千尋たちの顔がありましたぁ!?
そういえば僕気を失ったんだっけ。
て言うか外が明るいんですけど。僕一体どんくらい寝てたのさ!
「メル! よかったぁぁぁああ」
「か、薫。ちょっと、手が痛いんだけど」
薫が手を思いっきり握ってきてます。ちなみに超痛いです。
「大丈夫か? 父母院いきなり倒れるし驚いたぞ。何もされなかったか」
「うん。大丈夫だけど。……って怪盗団は!?」
「残念ながら逃してしまいました。すいません、皆さんが手を貸してくれたというのに」
蘭斗さんが凄く悲しそうな顔してます。と言うか僕たちが居ながら捕まえられないっていうのがまず問題だし。
「いや、蘭斗が気にする事はねーよ。俺様達のミスだ」
「まさか魔法少年だったとな」
そうだ、それなら。
「僕が調べるよ。言ったでしょ? 僕はデスクワークが得意だって」