第2章 僕らの愛は
「何かあったのか?悟。」
静かな寝室から出てきた悟に、傑は不思議そうに聞いた。
悟は力が抜けた様にソファに深く座った。
「………… の死刑が決まった……。」
顔を俯かせてボソッと呟いた悟に、傑の顔は少し歪んだ。
悟はその死刑決定に異論を唱えなかった。
それが分かったから、傑はこう聞くしか出来ない。
「どうするつもりだ?」
「……そんなの…。」
10年前にに会った時から決まっている。
「変更なしだ。」
悟の言葉に、傑の拳が強く握られた。
赤く暗い景色に響く男女の情事の声。
の周りには大勢の男女が戯れている。
その情事を横目に、は玉座へ敷かれている赤いカーペットを歩いた。
睦み合う男女の傍に酒が川の様に流れている。
銀杯でその酒を掬いながらまた情事に耽る男女。
まさに酒池肉林のこの世界は妲妃の生得領域の中だった。
見慣れた景色にはカーペットを歩いて玉座に鎮座する妲妃を見上げた。