第12章 狼さんの甘咬み✿
「隙だらけ。それとも、昨日散々シたから今日は何もされないって高を括ってたか?」
耳元で囁かれ、反射的に身を固くすると、うなじに口付けを落とす柔らかい感触。
抗うように藻掻き、腹部に回された彼の腕を引っ剥がす。
「もう、五条先輩!ほんと何しに……」
抗議しようと後ろを向くと、唇を塞がれて言葉を封じられた。角度を変えて啄むようなキスを繰り返して、最後に額へ押し付けられる口唇。
戸惑っていると、急に耳朶を甘噛みされて、背筋がピンッと伸びる。堪らず身を捩ると、逃がさないと言わんばかりに更に強く引き寄せられた。
「さぁな。何しに来たと思う?」
愉快そうな五条先輩の声が降ってくる。
彼の胸板をグイグイ押し返すも、力の差で敵わない。もつれ合ったまま、二人でベッドに倒れ込んだ。
ズレたサングラスを取り、ベッド脇に置く先輩の笑みが少しだけ恐ろしい。
私が文句を言おうと口を開いたが、それを狙っていたのか、覆い被さるような体勢でキスされた。今度は口内にまで侵入してきて、私の舌に彼の熱が絡まる。
「……は、ぁ……っふ……ぁ……」
酸素を求めて呼吸する度に、艶めいた吐息が漏れる。
やがて彼の手が素肌に触れた。服の下へ侵入してくる気配に精一杯抵抗しようと試みる。
だが、それよりも先に、胸の膨らみを探る手がそれを捉える。やわやわと優しくゆっくりと揉みしだかれて、頂が芯を待ち始めてしまった。
「あっ……だめ、胸さわっちゃ、やぁ……」
ふるふると首を振ってダメだと意思を伝えたが、彼は聞く耳を持ってくれないようだ。
むしろ執拗に乳首ばかりを狙ってきて、爪先でカリカリ引っ掻いたり強く摘まれたりしてビクッと肩が震えた。
「ダメって言いながら、硬くなってるな」
「やぁあっ……あぁっ、だめってぇ、言ってるのに……っ」
「そんな甘い声で『ダメ』って?」
弱々しく抗う私を無視して続けられる執拗な愛撫。次第に下腹部が熱くなってきてしまう。
「風呂上がりのゆめ、すげーイイ匂い」
くんくんと匂いを嗅がれて、羞恥で下腹部の痺れが強くなる。
体温が一気に上がった。熱くてどうにかなりそう。
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