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【呪術廻戦】薄夜の蜉蝣【R18】

第10章 彩光✿


夢見心地でフワフワとした意識のまま、五条先輩の硬いものに自らお尻を擦り付ける。ごくりと唾を飲んだ音がした。

「でも、此処じゃ……いや、です」

傑お兄ちゃんの笑った顔が、私の脳裏にチラついた。でも、今はそれどころじゃない。

自分の身体が熱くてどうにかなりそう。私を見つめ返す、この人の体温しか考えられない。


――いつの間にか花火は終わっていた。

周りの個室のお客さんたちも、窓から見える花火が目当てだったのか、ガヤガヤと帰っていく音が聞こえてくる。まだ少し乱れる息を整えながら、場所を変えたいと再度訴えた。

「ゆめ……少しの間立てるか」

五条先輩は、私の腕を引っ張って立たせてくれる。

「乱れた浴衣、俺が直してやる。どこかに掴まれ」

私は言われた通りに部屋の窓枠に手で掴むと、すぐに浴衣を着付け直されていく。

乱れた髪は、何とか一つに纏めてくれた。

まだ火照り続ける体が辛い。布が少し擦れるだけで刺激を感じてしまい、変な声が出そうになる。

「帰るぞ、ほら」

五条先輩に声をかけられてハッとする。

どうやら五条先輩も浴衣を直し終わり、片付けも済ませて全て元通りになっていた。

ふらつく足を無理やり奮い立たせ、歩こうとした。しかし、足腰に力が入らない。

頭がぼんやりして、生まれたての小鹿のような足取りで前に進もうとしても、すぐバランスが崩れて座り込んでしまった。

「やば……立てな……」

体に熱がこもっている。奥がずっと熱くて仕方ない。

そんな私の様子を見兼ねてか、五条先輩は溜息を吐いたかと思えば、一人で部屋を出て、少ししてから戻って来た。

「会計は済ませてきた」

と言いながら、へたりと座り込んでいる私を横抱きにすると、そのまま個室を出る。

先程の店長さんがこちらを一瞥したが、すぐに何事も無かったように接客へと戻った。花火は終わっていたからか、店内にほとんど人は残っていない。

そのまま神社の駐車場に停めていた車に乗せられ、五条先輩に寄り掛かる。

ぼんやりとした意識のまま、「高専まで戻れ」という彼の声を聞きながら、私は熱い息を洩らす。



はやく、この疼きを止めて欲しい。




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