• テキストサイズ

【呪術廻戦】薄夜の蜉蝣【R18】

第9章 桔梗の君


口の端からは飲み込み切れなかった唾液が垂れ、首筋を伝う。名残惜しそうに唇が離れて、ようやく呼吸が出来た。

「は……ぁ……っ」

乱れた呼吸を整えるように、胸いっぱいに空気を吸い込む。ぼんやりと五条先輩の顔を見つめていると、五条先輩が再び唇を重ねてきた。

さっきよりもゆっくりと、味わうように舌を絡めてくる。五条先輩の舌も熱くて、絡まり合う度に口から漏れる水音が厭らしい。

舌裏をくすぐられ、付け根から扱かれるともう堪らない。歯列をなぞられ、上顎をゆっくりと擦られると、背筋を甘い痺れが駆け抜けていく。

気持ち良くて、ふわふわして、何も考えられなくなる。

腰の奥がむずむずして、太腿を擦り合わせてしまう。

「ん、っ、は……」

ちゅく、と音を立てて唇が離れる。互いの唇を伝う銀糸がひどく淫らだった。

五条先輩は私の頬に触れたまま、親指で私の濡れた唇を拭う。

「ゆめ」

少し掠れた色っぽい声で名前を呼ばれた瞬間、ぶわっと体が熱くなる。

五条先輩の顔はいつもより少しだけ赤くなっていて、私を見つめる目は欲を孕んでいるようにギラギラとしていた。

その視線に絡め取られたように動けなくなって、ただ彼の顔を見つめてしまう。

「キスだけでそんなエロい顔すんのかよ」

そう言われて、咄嗟に顔を背けようとしたけれど、五条先輩に顎を掴まれて強引に彼と向き合わされた。

「オマエに、そこまで仕込んだのが傑ってのも腹立つ」

台詞とは裏腹に、楽しそうな声色でそう言うと、五条先輩の指が私の唇に強く押し当てられる。

その指がゆっくりと下唇をなぞっていくだけで、背中がぞくぞくした。

「ゆめの口、ちっちぇな」

私の唇から顎へと五条先輩の親指が伝う。

それすら気持ち良くて、気がつけば動きを追いかけて、甘えるように五条先輩の親指を舐めてしまった。

「っ、オマエ……それワザとやってんの?今の顔、すげぇエロくて勃ちそ」

そう言って五条先輩は私の顎を掴んでいた手を離す。



/ 212ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp