第1章 ニャオハだった頃
ニャオハがまだ野生だった頃、ニャオハの森で仲間と共に平穏に暮らしていた。
しかしある雨の日、うっかり足を滑らせたニャオハは、崖から滑り落ちて大怪我をしてしまった。
自分の住処にはなんとか帰ってこれたものの、ニャオハも仲間も怪我の治療に苦戦しており、ニャオハは寝床からほとんど動けず終いであった。
そんなある日、ニャオハの森に一人の人間がやってきた。どうやら彼女はポケモントレーナーというものらしく、仲間たちは怪我をしているニャオハを庇うように立ち向かったが難なく切り抜けられ、とうとう怪我をしているニャオハの元にその人間が現れた。
ニャオハは更なる痛みを覚悟したが、その人間はバトルを仕掛けるどころかそっと抱きかかえてこう言ったのだ。
「怪我をしているの? ポケモンセンターに連れて行ってあげる」
それが、そのポケモントレーナー「ユメ」との出会いと冒険の始まりだった──