第3章 -ジケン-吉原乱入混沌戦。
土方「じゃあお前..蓋岐勇治の娘か?」
尚「はい..娘の尚です、ご無沙汰しております。..以前に幕府主催の親睦会でお会いしたかと。」
土方さんは尚ちゃんからちゃんとした挨拶を受けるとそーいやそんな女いたな...とうわべ事のように呟いている。
沖田「確か...蓋岐の娘は15きてなかったように聞いてたんですけど、未成年で夜の町に来てンですか?」
すると沖田さんは思い出したと言うように近づいてくる。
そして私の方に振り向いた。
沖田「...アンタが連れてきたんですかィ?」
そこで私は気がついた。
貴「まさか、私が未成年を連れてきたっていうので逮捕しようとしてんじゃないわよね?言っておくけど非常事態だったのよ非常事態!追っ手から逃げてたんだから仕方ないじゃない!」
沖田「だから、その追っ手って何なんでさァ..それがわからない限りアンタの疑いは晴れねェよ。」
..つまり、沖田さんが考えてたのは私がこの子の"何なのか"ということなのだろう。
尚ちゃんと新撰組が顔合わせをしたときに私はいなかった。
一見したがどこの誰だか分からない。
....じゃあ、隣の女は誰だ?
ということだろう。
貴「私は歌舞伎町に行こうとしたらたまたま尚ちゃんとぶつかっちゃって..それで助けを求められたからここまで逃げてきただけ。他に接点はないわよ。あと尚ちゃんのことだけど...」
私はありのままの起こったことを簡単に話した。
尚ちゃんとは道端でたまたま出会ったこと。
尚ちゃんを連れて逃げたこと。
尚ちゃんが何故逃げたのか。
何故ここへ来たか。
何故ここで働いているのか。
どこまで信じてもらえるかは知らないけどとにかく話した。
すると蓋岐の内情をようやく把握した彼らは、
土方「天人の裏切りか...じゃあ、勇治はアイツらに捕まってるのか。」
尚「そうです...だけど私だけ逃がしてくれて.....私、一人だけ逃げちゃって...情けないです。」
沖田「..でも、あんだけ部下を従える人間がなんで天人達に簡単に捕まったんでしょうか、ちとおかしくはありやせんか?」
尚「..っ!そういえば.....」
....そう、私が今まで引っ掛かっていたところもそこだ。
尚ちゃんもハッとしたように顔を驚かせた。