第1章 -プロローグ-夜蝶現る。
足音を頼りに、私は暗闇へ踏み出す。
数メートル先には、ターゲットが......
貴「.....フフッ、今日のカモはなんだか冴えないわね。」
暗闇でさえも何とか瞳を必死でこじ開けターゲットを見据える。
今回のターゲットは人斬りで有名な脱藩浪士.....
人斬りと言うからどんなものかと期待してみれば、とんだ骨折り損だ。
刀は腰にさしているが周りを照らすライトを持つ手は震え、微かではあるが照らされた場所が小刻みに揺れている。
貴「.......ただの弱虫野郎じゃない。」
おまけに顔だって冴えなさそうな顔だ。
貴「...といっても任務だしねぇ..?」
瑠璃葉は思わずその場で手を組んだ。
これくらいの任務、少しくらい目を離したって何も起こらないだろう...
、と。
人斬り脱藩浪士「っ!!?ぎゃあぁあああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!」