第11章 黒猫、嫉妬する
「もしもし、ですけど。」
『あー、やっと出た!!あの後全然連絡来ないからどうしたのかと思ってたんだよ。』
「普通に忘れてた、ごめん及川。」
『久しぶりなのに冷たくない!?』
お昼休み、いつも通りクロ、夜久ちゃん、海くん達と中庭でお昼ご飯を食べていたら突如震えたスマホに反射で出ると、聞こえて来たのは及川の声だった。そういえばスケジュール聞きたかったのすっかり忘れてたな。
「ゴールデンウィークってもう青城はスケジュール出てる?」
『当たり前の様にスルーしないでよ…確認するからちょっと待ってね。』
文句を言いながらも、彼はスケジュールを確認してくれる。顔合わせたのほんの1回程度の仲なのに、優しい奴だなぁって思う。…女にだけか?
「なんで、宮城にまで知り合い居るんだ?」
「アイツの両親が宮城行く時着いてったんだと。そん時宮城の強豪校見学に回ったらしい。」
「は本当に男バレ好きだなぁ。」
『おっ、そっちから聞こえる声、もしかして音駒のバレー部?』
「そうそう、聞こえた?五月蝿くてごめんな。」
『どうもー!青葉城西高校バレー部主将の及川徹でーす!よろしくね〜!!』
「いやお前もうるさっ!!いいからスケジュールは!?」
「おぉ…賑やかなヤツだな〜。」
「黒尾鉄朗デース、ウチの可愛いマネージャーがお世話になってまァす。」
「黒尾の顔。」
海くんの言葉を聞いてクロを見てみると、舌出してめちゃくちゃ喧嘩腰の顔してて思わず吹き出しそうになる。私のスマホ相手に威嚇すんな。
『あー…そうだなぁ。4日は予定が無いから練習試合受けられるかも。』
「本当?ありがとう!直井コーチにも伝えておく!」
『はぁーい、こっちも音駒との練習試合押してみるよ。東京の高校と試合する機会なんて中々無いからね。』
「助かる。青葉城西の練習は見たけど、実際の試合は見てないからめちゃくちゃ楽しみ!予定取れたらよろしくな!」
『お礼は1日デートで良いよ。それじゃあね〜。』
「しないけどまたね。」
通話終了ボタンを押してスマホをポケットに戻す。凄いな、こんなチャラい男がチームのキャプテンなんだもんな。そういえば練習見に行った時周りに女の子いっぱい居たしきゃあきゃあ言われてたっけ。