第6章 黒猫と梟の戯れ
わけも分からず目を閉じる。心臓の音がいつもより大きく、速く聞こえた。なんとなく身構えていると、首を撫でていた手がそろりと離れた。
「目、開けていいですよ。」
「ん…あれ、ネ、ネックレス?」
「この前出掛けた時、さんに似合いそうだと思ったんで。もらって下さい。」
首元に手を当てると指先に触れた金属の感触。それは小さな三日月型のネックレスだった。うわ、可愛い。可愛いけど照れくさい。そして色々期待してた私が恥ずかしい。
そんな私を見てか、赤葦くんは勝ち誇ったように鼻を鳴らして笑う。
「目、閉じてる時顔真っ赤でしたね。」
「うるさいよ!ありがとう、大事にする!!戻ろ!」
「はい。」
*黒猫と梟の戯れ*
(赤葦くんだと思って毎日着けるね!)
(…面と向かって宣言されると流石に少し恥ずかしいんですけど)