第6章 黒猫と梟の戯れ
「ヘイヘイへーイ久しぶりだなー!会いたかっただろ!?俺に!!」
「赤葦くん久しぶり!副主将おめでとう!」
「お久しぶりです、さん。ありがとうございます。」
「無視!?俺は!?ー!?」
「はいはい久しぶり木兎。背伸びた?」
「よくわかったなー、2センチ伸びた!」
「木葉達も久しぶりー、元気そうだね。」
「久しぶり。相変わらずマネ1人で大変そーだな、ソレ持つよ。」
「いや君ら一応他校なんだからイイって!」
「遠慮しなさんなって、俺は男だし。」
木葉は私が持っていたボトルのカゴに手を伸ばし持ってくれる。意外に優男。ありがたいけど、うちの部員って訳でもないから申し訳ないな流石に。
「木葉お前…!」
「早いもの勝ちー。」
何故か羨ましそうに木葉を見る木兎に、舌を出して挑発する木葉。…そんなにボトル籠持ちたかったのか。ならいいや。重たい荷物を木葉に任せ、梟谷の連中と体育館へと戻ればすっかり身体が暖まったように見える部員達。やる気も充分でいいね。
「よォ黒尾!今日も俺達が勝つぜー?」
「ウチも負ける気はねーよ、つーか音駒の可愛いマネちゃんにチョッカイ掛けないでもらえますー?」
「ー、籠ここでイイ?」
「うん、ありがとう木葉!」
「お礼はラインのIDでいいぜ。」
「ナンパかよ、木兎から聞いて。」
「よっしゃ!」
主将達がくだらない火花を散らしているのを無視して得点ボードの横に籠を置いた木葉は嬉しそうに小さくガッツポーズをした。女の子に飢えてんのかなコイツ。可哀想に。
「よーっしお前らアップするぞ!!」
木兎の一声に梟谷の部員達は各々に荷物をベンチに降ろし、ジャージを脱ぎ捨て音駒とコートを半々に分けてアップに入った。今日は梟谷のマネージャーは雪絵ちゃんだけか。
「久しぶり雪絵ちゃん!」
「久しぶりちゃん~。元気だった?」
「元気元気、雪絵ちゃんも元気そうだなー!」
「元気だよ~!そういえばさ、文化祭の話聞いた?」
「聞いた!稼ごうね!」
「昨日話してたんだけど、儲ける為にはやっぱそれなりの模擬店出さないとじゃん?」
「うん、そうだなー…。」
「執事喫茶とかどー?」
「また物凄いのを考えたね雪絵ちゃん…。」