第4章 黒猫の足跡、体育館に消える
「ちなみにお前らの会話は綺麗にバーッチリ録音済デス。」
ニッコリと口元に笑みを作るクロと夜久ちゃん。目が笑ってないぞ。男達は冷や汗をかき視線を逡巡させた。
「バラされたくなかったら二度とに変な事するんじゃねェよ。」
「「スミマセンでした!!」」
クロのドスの効いた声と笑顔に、男達は勢い良く頭を下げて逃げていった。私はただ呆然として2人を見つめる。…結局助けられてしまった。
「おい、大丈夫か?何もされてねーとは思うけど。」
「ごめん、手紙の子、前もこういう事してたって話聞いてたんだよな…。」
「ちょっと、それ先に言ってよ夜久ちゃんのバカ!」
「本人かどうか分からなかったんだよ、本当ゴメンな。」
夜久ちゃんが至極申し訳無さそうな顔で手首を縛る布を解いてくれた。元はといえば私が忠告聞かずに向かってったのが悪いんだけどさ。自由になった両腕を2人に伸ばし、抱き締めた。
「…流石に怖かった。ありがとうゴザイマス。」
「これからは勝手にどっか行くなよ。チャン。」
「もっと俺らの事頼れよー?」
「ごめん、ありがとう。」
*黒猫の足跡、体育館へ消える*
(てかずっと近くにいたの?)
(証拠掴んで脅した方が楽だろ?)
(殴り合いとかになって俺達が部活禁止になったら困るしな。)