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牧場物語へトリップⅡ

第3章 春 二日目


夕飯をしっかり取ってから、今日は夜の村の散策へと出掛けた。

村ながらも設備は整っていて、夜でも灯りがあるので困らない。十日目に行われる花見祭りは、寸部の狂いもなく五日目に咲き出して十日目にはほぼ満開を迎える。

「まだ、蕾だなぁ。」
「あら、サクラちゃん。お散歩かしら?」
「こんばんは、ランさん。ランさんも散歩ですか?」
「今日は紫陽花亭に行って来たの。今度、サクラちゃんも紫陽花亭で一緒にご飯食べましょうよ。あ、そうだったわ。直ぐじゃなくていいのだけど、また亜麻をお願い出来るかしら。」
「分かりました。用意出来次第お送りしますね。」
「ありがとう。それじゃ、またね。」

ランさんは服飾のお店をしている美人さん。年齢は不詳となっていたっけ。村でもファンが結構いたなぁ。

「おっ、サクラ。散歩か?どうだ、夜道は寒いだろ。温かい甘酒でも飲んで行けよ。」
「甘酒ですか?いいですね。頂きます!!」
「いつも元気で気持ちいいよな。ほら、今日はおごりだ。心して飲めよ?」
「ありがとうございます、ビルさん。頂きます。」

夜道を散策しながら、村の中を歩いていく。この後、焼き鳥をご馳走になって家へと戻った。


その頃。

女神様に連行されこの世界の町へと連れて来られたあの先輩こと田中さん。何とか住む場所を得て、力仕事だけど仕事も得ることが出来た。

と言うのも、初日にメンタルをボコボコにされたらしい。何せ、高飛車に対応した結果、誰からも相手されなかったのだ。

「何だよ、何で俺がこんな目に合うんだよ。あの可笑しい女のせいだよな。今度会ったら、腕ずくで俺の言い分を聞かせてやらないと気が済まないぜ。」

そんな悪態をつくものの、クタクタな身体は正直で直ぐに眠りに落ちてしまった。

「女神様を腕ずくで言い聞かせるって~」
「こいつ嫌い~」
「僕も~」

子供の声がそれだけ言っては、消えて行った。
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