第3章 春 二日目
目覚めはバッチリ。朝はシンプルにサンドイッチとスープ。そして、果物を絞ったジュースで腹ごしらえをしてから畑へ向かった。
「先ずは、昨日のメモだよね。」
要望にあった作物を収穫しては、出荷箱へと入れておく。時間は八時までの時間厳守。ミルククリームも忘れない。
今日は空いたスペースに、新しい種を撒いていく。倉庫にある春用の種を持って来ては種蒔きを満喫。その後は、水田で田植え作業だ。お米は七十日掛かるから早めにやっておかないといけない。
一つの季節は三十日。夏に入ると、お米を栽培することは叶わなくなる。もち米も忘れない。更に、水田用の作物として蓮根と山葵も苗を植えて行く予定。
「あれ?随分、田植えしたと思うけど全然疲れないしペースも早い。これも体力的にLV99の恩恵?女神様感謝です。」
それでも、お腹は減るので家に戻ってランチ作り。
「何がいいかなぁ・・・あ、そうだ。ピザにしよう。」
小麦粉を練って生地を作り、野菜を乗せて最後に自家製チーズ。ウチの燻製機で作ったソーセージも忘れない。後は生野菜のサラダにオニオンスープ。
家前には外で食べられる様にテーブルなどが完備。折角だから、外で食べよう。キッチンには鉄板も完備されているので、ピザもそう難しくなく焼く事が出来た。
「んっ!!お、美味しいっ!!」
「いい匂いがすると思ったら、今からランチか?」
「ルイ村長。こんにちは。」
「こんにちは、サクラ。今日は頼みがあって・・・って、ピザか。美味そうだな。」
「サラダもスープもたくさん用意してあるんで、一緒にどうですか?」
「ありがとう、是非、頂くよ。」
ルイ村長は、四十五歳で恰幅のいいおじさん。人当たりが良くて親切な人だ。ゲームの中でも、色々と相談に乗ってくれた人格者だった。
「おぉっ、これは美味い。今日は忙しくて、食べそびれていたんだがラッキーだったな。あ、それで相談なんだが。十日に村の花見祭りがあるだろう?そこの出店に使う野菜や加工品を頼みたいんだ。」
「分かりました。また、必要なものを教えて頂ければ用意します。」
「助かるよ。サクラの作る野菜はどれも美味いし、加工品も品質がいいもんな。」
「ルイ村長、アメリカンドッグ好きでしたよね?」
「あぁ、子供の頃からの好物だ。それも頼みたい。」