第4章 VI * アルミン・アルレルト
『これはビールです』
「それはここにもあるよ、でも瓶じゃないんだね」
『瓶のものもありますよ』
「これは何ですか?」
アルミンが手に取ったのはお菓子だった。
そのまま広告に起用されても遜色ない程に、お菓子の袋を見つめるアルミンは可愛かった、は心の中で悶える。
『これはお菓子です。食べてみてください』
は袋を開けて2人の前に差し出した。
『じゃがいもを薄くスライスして油で揚げたものです。名称はポテトチップスのしあわせバター味で、総じてポテチと呼ばれています』
警戒するアルミンをよそに、ハンジはポテトチップスを指で摘むと口に運んだ。
「あ!ハンジさん!」
「…ん!…なんだいこれ」
次々と口に運ぶ。
「手がとまらないよ!アルミンも食べてごらんよ」
「…い、いただきます」
恐る恐る手を伸ばし端を囓ると驚きを隠せないようで、1枚をひと口で頬張る。
「とても美味しいです!食べたことがありません!」
今一度ポテチに手を伸ばしかけると、の顔色を伺った。
『ふふ、遠慮なくどうぞ?』
ぱぁっと花でも咲かせそうな笑顔に、はやはり心の中で身悶えた。
(天使の笑顔!まさに天使!)
そこですかさずは新たな品を取り出すと、2人の前にペットボトルのコーラを置いた。
「…これは?」
は棚にしまわれていたコップを2つテーブルの上に置き、とくとくとコーラを注げばシュワシュワと炭酸が弾ける様子に視線は集中する。
『これが至高の相乗効果を生みます…』
2人の喉はゴクリと音を立てた。
初めて口にしたポテチに注がれた黒く弾ける音を立てる飲み物…、2人はぐいっと喉に流し込んだ。
「!?」
「!!」
そしてポテチに手を伸ばす、コーラで喉を潤す。
「確かに…相乗効果が…」
「…これは凄く美味しいです」
『それは良かったです』
幸せそうな顔を見せる目の前のアルミンに、心が洗われただった。