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【暇潰し】R18/Short Story【進撃】

第2章 Ⅱ*リヴァイ・アッカーマン


「地下の"ゴロツキ"を調査兵団に勧誘する」

突然のエルヴィン分隊長の一言に、この人はまた何を企んでいるのかとは呆れた目で彼を見た。
その視線に気付いていても、いつもの事だと気にもとめずにエルヴィンは続ける。

「少数で向う、ミケにそれに――――以上の五人だ。決行は明日、各々頼むぞ」
「「了解」」
『了解、エルヴィン』


当日になり馬車に乗って王都へ向かう。

「"ゴロツキ"と言えど油断はするなよ、相当な手練だからな」

エルヴィンが言う程ならその通りなのだろうと、各々が身を引き締めた。

王都にある地下街、最近は以前よりも治安が悪化していて、憲兵団もお手上げ状態だと風の噂で聞いていた。

大半の人間にとって縁もゆかりも無い場所だ。
も初めて足を踏み入れる。
外套を目深に被り階段を降りると、後方から聞き慣れた音がする。
立体機動装置のガスを噴射する音だ。

(何故?地下街の"ゴロツキ"が装置を?)

"ゴロツキ"達は達の頭上を飛び越えて行った。
憲兵団が後を追っているけれど、彼らの技術ではお話しにもならい。
あれではガスを無駄にしているだけだ。
価値なしとジャッジを下した。

「ミケとは私に続け」

「了解」

エルヴィンの声も耳に届かないほど、は真中を飛んでいる小柄な男に目を奪われていた。
薄暗い地下街を飛ぶ男が、鮮やかに機敏に飛び回る様に目が離せずにいた。

「?お前…顔…」
『ほっといて…ミケ』
「行くぞ、ミケ、!」
「了解」
『了解、エルヴィン』

の口元はゆったりと弧を描き、瞳を潤ませて、頬は紅潮していた。
ゴロツキに向ける視線ではない。
背筋が粟立つほどに高揚していて、表情を繕うことさえ忘れていた。
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