第1章 Ⅰ*エルヴィン・スミス
エルヴィンの首に縋り付して、しっかりと腕を回す。
ゆっくりと的確に与えられる快感に、一歩また一歩と昇りつめていた。
徐々に強くなる伸縮にエルヴィンは応えるように腰を打ち付けた。
彼女の中が自身を食い千切られそうなほど締付け、激しい伸縮を繰り返す。
エルヴィンは苦痛と快楽に顔を歪ませていると、達したばかりで息も絶え絶えな彼女が口を開いた。
『…エル…ヴィンっ中…、にっ…!』
「…っ!」
あの頃は叶える事の出来なかった一言だった。
「…、ッ!!」
エルヴィンはの名前を何度も呼んで、数度激しく腰を打ち付けると、自身を脈打たせて最奥に精を放った。
の瞳からはとめどなく涙が溢れていた。
エルヴィンが自身の放ったの下腹部あたりをやわく撫でながら、視線を合わせて幸せそうに微笑んだ。
あの頃の2人が諦めなくてはならなかった事情もしがらみも、今の2人には存在しない。
何の変哲もない普通の幸せが、奇跡のように目の前に広がっていた。
end*