第1章 Ⅰ*エルヴィン・スミス
先端があてがわれて、嬲るように擦られて、吸い付くように潤んだそこへとはまる。
言葉通りゆっくりと沈められていった。
の思考は思い出す快感と、身体は与えられる痛みと圧迫感の狭間にいた。
エルヴィン自身が半分ほど中に進むと、小刻みな伸縮と、締め付けられる自身に顔を歪ませた。
今の身体で経験がないのは、だけではなかった。
エルヴィンもまたに焦がれるあまり、他の女性には興味を持てずにいた。
そんな身体を持て余し、初めて得る快感も彼の顔を歪ませている理由だった。
そんなエルヴィンの表情に、たまらなくなる。
自身の身体に抗って脱力する。
彼自身を、彼の全てを受け入れる覚悟をしたのだった。
脱力したところで締め付けは然程変わらずとも、エルヴィンは僅かに感じとった。
またゆっくりと侵入を再開する。
すぐにでも彼女の中に吐き出したい気持ちを抑える。
先端が奥まで到達して、形が馴染むのを待った。
は美しい顔を歪ませて、苦しげに肩で息をしていたが、エルヴィンと視線が絡むと幸せそうに微笑んだ。
『大丈夫、好きに…動いて…』
エルヴィンの理性を決壊させるには十分すぎる言葉だった。
深く口付けると腰を引いた。
圧迫され過ぎて滲み出すことすらなかった鮮血が滴るのを目にした。
の大切なものを二度目もエルヴィンに捧げた証だった。
目を瞠って、感動すら覚えた。
エルヴィンはもう一度彼口付けると、両腕で包むように抱きしめて、ゆっくりと抽挿をはじめた。
覚えている限りにの中を的確に責め上げれば、痛みの中に微かな快感が生まれる。
じわりと身体中に浸透しはじめる。
しかし猛る見た目とは裏腹に耐性を持たない彼自身は限界間際だった。
共に果てたい…と、その思いだけが彼を抑制させていた。