第3章 R18ゼロの距離(黒尾)
「あっ…なか、あったかい…。」
「っは……本当中出し好きだな。」
「……中出しは鉄朗しか許してないよ。というか、生でやってるのが鉄朗だけ。ちゃんとピル飲んでるから子供は出来ないけど。」
へたりと俺の体へもたれ込んできたの身体。熱出したみたいに暖かい腕が背中に回され肩に額を押し付けられる。吐精後の独特な気だるさを感じながらの背中を撫でていたが、思いもよらない一言にその手は止まった。…今何つった?
「…どういう意味?」
「……好き、って意味なんだけど…。」
…なんだそれ、好きな相手が俺って、考えた事もなかった。色んな奴と身体重ねてる事は知ってたし。
「何で告白じゃなくてセフレんなってくれって誘ったわけ?」
「…告白はフラれる可能性があるけど、セフレなら彼女でも居ない限りあんまり断られないでしょ。少しでも近付くなら手っ取り早いかなって。」
「他の奴とヤッてるのは?本当にセックスが気持ちいいからってだけ?」
「………あわよくば妬いてくれないかなって思ってた…。」
ちらりと盗み見た耳はパッと見ただけで分かるほどに赤い。照れてる、らしい。どうやら俺が分かってたのはの身体の事だけだったらしい。
「鉄朗はバレーも頑張ってるし、邪魔になりたくなかったの。…だけどね、やっぱり悲しくて、虚しくなった。好きって言えないのに身体だけは繋がってて。これなら初めから告白しておけば良かったね。」
背中に回された腕の力が強くなった。そして、震えてる。だからこそこの言葉がの本心だと悟った。
「…は男ならセックスなんて誰とでもするって思ってるかもしれないけど、案外そういうもんでもないよ。」
「え…?」
「少なくとも俺はに気があったから抱いた。」
「んえ……。」
「だから、お前が他の男連れ込む度腹立ったし。」
「う…ごめんなさい…。」
肩から頭を退けた。うお、すげー泣きそう。
「俺も好きだよの事。だからもうホイホイ他の男と連れ込むのはゼッタイ禁止。」