第7章 アイツは可愛い年下の男の子
「――風邪だな」
「やっぱりか~」
聴診器をはずしながら、薬研はやれやれと言った風にため息を吐いた。
体調管理も審神者の仕事の内と、就任された時は散々言われたが、流石に真冬に薄い綿の布団で寒波を凌ぐ事は出来なかったみたいだ。
仕方がない、今日は薬研と2人きりでお留守番だ。
食料調達に向かった4振りに手を振ると、私は布団を薬研が薬を煎じている部屋まで持って行った。
「どうした、大将?」
「なんか寂しくって……ここで寝てちゃダメ?」
「……大人しくしてるんだったらな」
「やった!」
あれ?そう言えばさっき会ったきり、こんのすけの姿が見えない。
私がミスをすると(いや、していなくても)どこからともなく現れて、嫁をいびる姑みたいに「体調管理もできないなんて審神者の風上にも置けない屑ですね」くらいの嫌味を言ってくるはずなんだが――
「ああ、それなら俺がさっき言っといたんだ。大将が風邪で寝てるから、今日くらいはゆっくりさせてくれって」
え?マジで!?薬研、なんて気の利くいい子なの~!?お姉ちゃん(?)感動しちゃった!!
流石、兄貴の名を冠するだけあるわっ!
それじゃあ薬研の優しさに甘えて、ひと眠りさせてもらおう~っと。
――と思ったのに、中々眠れない。私は布団に横になったまま薬研に話しかけた。
「ねえ薬研」
「どうした、大将?」
「何か面白い話して」
「ん~……ふとんが吹っ」
「ごめん私が無茶ぶりすぎたわ」
あぶねーあぶねー、真面目に薬煎じてくれてる薬研に、その場のノリでギャグなんて言えるわけなかったわ。
確かに熱はあるけれど、ダイスケ的にもサブいギャグなんかで涼みたくはない。