第7章 アイツは可愛い年下の男の子
――その日は、起きた時から調子が悪かった。
頭はぼーっとするし、眩暈もする。でも以前オーバーフローした時よりは意識がしっかりしてるし、風邪かな~って思いながらせんべい布団を畳んだ。
今は食べるのもやっとという生活をしているが、あと数日待てば政府からの援助金が入る。それが入ったらせめて布団くらいは新調しよう。
だってまだ2月が始まったばかりだし、お化け屋敷と化した本丸は、どんなに扉を閉めていてもどこからか風が入ってくるオンボロ物件だ。
そう考えると、風邪をひかない方がおかしい。
「大丈夫ですよ主様、バカは風邪ひかないって言うでしょう?」
「わっはっはー、こんのすけ。わざわざ踏みつぶされに来るなんて相当のドMっぷりじゃ~ん?」
私の体調が悪くても、ディスる瞬間だけは見逃さずに現れるくそ狐。
踏みつぶす気満々で即座に足を動かしたが、寸前のところで逃げられた。――クソッ、良い反応しやがる。
「あるじさまー、おはようございますー!」
「今剣ちゃん!」
心のマイエンジェル今剣ちゃんが、ぱたぱたと軽い足音を立ててギューッとハグをしてきた。
それに負けないくらいこちらもギューッと抱きしめると、今剣ちゃんが心配そうに顔をあげた。
「あるじさま、なんだかからだがあつくないですか?」
「そう?やっぱ風邪かなぁ?」
「それは本当ですか主!!」
主のピンチとあればどこからでも飛んでくる男、へし切長谷部が現れた。よし、ちょうど良い。長谷部にも被検体になってもらおうと、朔夜は長谷部にもハグをしてみた。
「あああぁ、主っ!?」
いきなり抱き着かれて驚いた長谷部が、壊れたロボットの様にギクシャク動いた。
ん~、安心感みたいなものは感じられるけれど、前にオーバーフローした時みたいに、体が楽になることは無い。
となるとやはり――