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出戻りド外道審神者物語

第5章 空、覚えていますか?


「……コホン。皆さんに、主様は霊力の塊だと説明したことはありましたね?」
「ああ、『第3章 おねショタ祭り解禁です』でチラッと言ってたな」
「ホンマ頭の悪いタイトルやわ」
「まったくもって同感です。……それはさておき、主様は特に高い霊力をお持ちのお方。最盛期に50振り以上の刀剣を使役しておられたんです。それを今やたった5人の刀剣男子に霊力を分けるだけでは、力が余って体に負荷がかかるのも自明の理かと」
「それじゃあ、俺たちがもっと朔夜の霊力を吸い上げれば良いってこと?」
「その通り。分かりやすく言うとセッ〇スが一番手っ取り早いです」

 流石はこんのすけ、毎度のことながら恥ずかしげもなくハッキリ言ってのけた。
 今剣は意味が分からず首をかしげているが、その他4人は色々思うところがあるらしい。
 まあ付喪神と言えど体は若い男子だ。それでなくとも皆、朔夜には何かしらの淡い思いを抱いているのだから、こんなチャンス逃すはずがない。

 しかしここで声を高らかに上げたら「俺、主と一発ヤりたいっす」と言っているようなものだ。
 それはそれではばかられるッ!!男の子の心ってもんは、実は女の子より繊細なのだ。

「俺がやる!大将が苦しんでるんだ、黙ってみてられねぇ!」

 一番初めに声を上げたのは薬研だった。その顔にはやましさ等あるべくもない。
 あるのは朔夜を楽にしてあげたいという男気だけだ。流石は兄貴の名を冠するだけある。

「じゃあお願いします。加州、奥座敷に一組布団を引いてあげて下さい」
「ちょーっと待った!!誰も薬研にやらせるなんて言って無いし!薬研に任せるくらいなら俺がやる!」
「待った加州、主が苦しんでいるなら、主お世話係である俺が……」
「俺は昨夜の初期刀だから、朔夜の事なら俺が一番分かってるっつーの!」
「なんや、言い合っとるくらいなら自分が……」
「あーもう!面倒なんで皆さんジャンケンで決めて下さい」

 ずいぶん投げやりだな、と思いながらも4人は言われた通りジャンケンで決めることに――そして見事、清光が勝利の栄光を手にしたと言う訳である。
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