第7章 放課後デート?
長い夏休みが終わり新学期が始まった
日焼けしてる人、イメチェンした人、彼氏彼女が出来た人、、、
教室のあちこちで楽しそうな話しで盛り上がっている中ーーー
「、、、顔ニヤけとるで?それに朝からずっと同じページ読んでるやろ。」
『えっ?あー、、、ニヤけてた…?』
隣の席で頬杖を突きながら治君がソレ、と手元の本を指差した
ーーーーあ。
治君の言う通り、休み時間の合間に本を開いてはいるけど1ページも進んでいない、というより集中出来ないのだ。
「・・・良い事でもあったんか?」
『え〜…大した事じゃないけど…。まぁ少し…?』
フッと緩む口元を本で隠すと、治君は頬杖をついたまま眉間に皺を寄せた。
そして「ふーーん。」とつまらなそうに口を尖らせると、机に突っ伏してしまった
ーーーーーえ?寝た⁇このタイミングで⁇
治君はこうしてよく居眠りしてるけど……
朝練で疲れたのかな?
とりあえず授業が始まったら起こしてあげよう。
それから目線を本へと戻してみるものの、やはり活字を読む気になれずパタンと本を閉じた
大した事じゃない。
本当に些細な事だけど、私にとっては一歩前進した出来事があった