第4章 オリエンテーション合宿
交戦的な表情を浮かべながら宮侑は枕を振り上げると今度はそれを思い切り私に投げつけてきた
「倍返しや‼︎‼︎」
『ギャッ、、‼︎』
私の頭にクリーンヒットしたのが相当嬉しかったのか、ゲラゲラと高笑いをする宮侑。
『くっ、、‼︎‼︎』
あまりに悔しくて奥歯を噛み締める
ーーーこのまま終わらせてたまるかっ‼︎‼︎
普通に投げてもダメだと思い、私は手に持っていた枕を下に置いた
そして
『あっ!先生が見回りに来たかもっ‼︎』
「えっ⁈マジ⁈⁈」
宮侑が慌ててドアの方へと振り返った瞬間、枕を掴むと思い切り後頭部に投げつけた
「い"っ、、、お前〜やりおったな、、、」
怒りの形相を浮かべ振り向いたと同時、自慢の顔にもう一発枕をぶつけてやった
『ぶっ、、』
キマりすぎて思わず吹き出してしまう。
ちょっと気が晴れたかも。
しかし相手は宮侑
これで終わる筈もなく……
そこからお互い本気の枕投げが始まった
学年イチのモテ男宮侑と学年イチ秀才ののタイマン枕投げバトル
そこに笑いは一切なく、バレー部の意地に懸けて腕を振り下ろす男と髪を振り乱す女の本気の戦いである
異様な騒ぎに気付いた女子が先生を呼び仲裁に入るまで2人の戦いは続き、その後みっちり説教を受けたのは言うまでもなく。
この凸凹な2人の枕投げバトルの話はすぐに広まり、オリエンテーションが終わってもしばらくはこの噂で持ちきりだった。