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バレーボール✖️恋

第13章 2回目の夏



最初は抵抗があったコンタクトにもようやく慣れた頃、またあの季節がやってきた



「あかんあかんあかんっ‼︎全っ然わからん‼︎‼︎」


静かな図書室に宮侑の声が響き渡り慌てて人差し指を口の前に立てる

『静かに…‼︎』

けれど、焦る私などお構いなしに本人は盛大なため息を吐きペンをポイッと机に放り投げた。

ーーーこの件、すでに2回目なんですけど。。。


夏休み目前、いよいよテストが3日後に迫る中、この男の集中力の無さにはつくづく呆れてしまう。


テスト1週間前から治君と始めた勉強会だったけど、その翌日から黒沢さんと銀島君が増え、また次の日には角名君、そして今日は宮侑がしれっと大量の課題を持って現れたのだ
どうやら自分が危機的状況だと理解したらしい…。



別に一緒に勉強するのは全然良いんだけど、さすがにこんな調子では気が散って仕方がない。

ジトっと冷ややかな目を向けると、頬杖を突きながら長い足を組みやる気無さげにノートをペラペラとめくっているだけで大量の課題はちっとも進んでない。

授業中もほとんど居眠りしてるし、バレーボール以外は本当にダメなんだな…。

内心そんな事を思っていると、


「あー、、、あかん……。もう俺はダメかもしれんっ、、、
勉強する事に身体が拒否反応起こしとる…‼︎
ちょ、見てみぃ?手が震えとるで?これは間違いなく末期症状やな⁈」

『・・・・。』

手、震えてないし。


「こんなんじゃペンすら握られへん!もう無理や‼︎課題なんて到底無理や、なぁ⁇」

「ツム、黙っとけ。」「マジうるさ。」

「冷た!俺が末期症状で苦しんどるのに……‼︎
課題を手伝ってくれる優しい友達はおらんのか⁇」


その言葉に誰も反応する事はなく、もちろん目も合わせない。


「何や揃いも揃ってシカトかい!ホンマ白状な奴らやな…。」


口を尖らせ不貞腐れたようにボヤきながらもチラチラと周りに目を向け誰かが手を差し出してくれるのを明らかに待っている


ーーーけど現実はそんなに甘くない。
皆んな部活と両立させるため必死なんだから。


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