第12章 告白
「っ‼︎‼︎」
『ーーーー治君、、、?』
遠くて視界がボヤけてるから確証はないけど、今の声は治君のはず。
ガクガクと震える膝に力を入れてどうにか立ち上がると目の前には息を切らした治君が立っていた
ーーーー良かった…助かった、、、、
どうして治君がここにいるのかは分からないけれど、気を許せる人の姿に心底安堵が込み上げる
「てか何やそれ、、、」
びしょ濡れの私を目にした治君は目を見開き言葉を詰まらせた
『ごっ、ごめんね‼︎見苦しいもの見せて……ちょっとトラブルというかその色々とあってーーー』
くるっと背を向け視界から逃れようとした時、バサッと肩から大きなジャージが掛けられた
ーーーー治君の、、、?
『あっでも濡れちゃうから、、、』
掛けられたジャージを外そうとした時、突然後ろから抱きしめられた
「えーから‼︎そんなん濡れたって構わへんしっ‼︎」
『治君………?』
回された腕にぎゅっと力が入り治君の体温が私の冷えた身体を優しく包み込む
「こんな震えて……平気なフリ、せんでええ。」
『ーーー…。』
平静を装ってたつもりだったのにーー、、、
「こんな場所に1人でおって怖かったやろ?」
頭上から降ってくる低くて優しい声に張り詰めていた気持ちがフッと緩み、コクッと小さく頷いた
『ーーーーこのまま…… 誰も来てくれないかもっ、て思ったら不安で、、怖くて、、、。
メガネないから目もよく見えないし……
そ、それに試合だってもうすぐ始まるのに……
これじゃあ皆んなに迷惑掛けちゃうよ……』
ポロポロと溢れる涙が治君の腕を濡らしていく
「こんな酷い目あって試合どこちゃうやろ?今はそんなん考えへんでえーから。
とりあえず落ち着いたら保健室行こか?俺がずっと付き添うから。」
『・・・でも治君、試合ーー』
「のが大事や。試合より何より…1番大事やから。」
痛いぐらいに強く抱きしめられたせいなのか、心臓がギュッと締め付けられた気がした