第11章 球技大会
「じゃあとりあえずボールに慣れなきゃだし、輪になってボール回すとこからやる?
アンダーでもオーバーでも良いから落とさないように繋いで。」
クルクルとボールを手の中で回転させながら角名君が指示を出すと、クラスの女子達は大きな輪を作って行く
「はーーい」「オッケー♡」
ーーーやっぱり教えてくれる人がいるって良いなぁ…
私と黒沢さんだけじゃこの団結はまず無かっただろうし。
隣りで構える黒沢さんとアイコンタクトをとり、お互い気合いを入れる
ポン ポンッ
穏やかに晴れた空の下、ボールが高く上がる
最初は10回も続かなかったボール回しが休み時間が終わる頃になると20回を超えるようになっていた
「21っ」
「22ー!」
「23ーー‼︎」
最高記録を更新し皆んなの声が自然と沸き立つ
時間的にそろそろチャイムがなる頃だけど誰一人輪から抜けようとしなかった
そんな時、ボールが私の方へと飛んできてーーーー
コレ、わ、、私……⁇⁇
軌道低っ‼︎てかこんなのトス出来ない…‼︎
「ちゃん!アンダー‼︎」
角名君の声でハッとなり、咄嗟にアンダーでボールを受けた
パーンッ
『ぁー、、、』
情け無い声が出たと同時、ボールはとんでもない方向へ飛んでいってしまった