• テキストサイズ

バレーボール✖️恋

第9章 初恋のおわり



4時限目が終わりチャイムが鳴ってすぐーーー


ん?
ポケットからスマホを取り出すと


"今から屋上に集合‼︎"


簡素なひと文とヘンテコなスタンプにフッと頬が緩む


"了解です"

と返信を打ち再びスマホをポケットにしまう。

鞄からお弁当を取り出し教室を出て行こうとすると



「何や、また先輩から呼び出しか?」


治君に声を掛けられた


『うん、屋上行ってくる。』

「すっかり仲良しやなぁ。たまには俺も仲間入れてーや。」

『え?じゃあ一緒に行く?治君なら野崎さんも大歓迎なんじゃないかな?』



治君は少しだけ考える素振りを見せるも、すぐに眉を寄せ首を横に振った。


「・・・・いや、やめとく。あの人色々突っ込んだ話ししてきよるし。飯ゆっくり食えなそうやから。」

『あー…うん、それは少しわかるかも…。』

「せやろ?
てかちゃんとチャイム鳴ったら戻ってくるんやで?」

『うん、分かってる。じゃ行ってくるね。』

「おん。」



そのまま足早に野崎さんの待つ屋上へと向かう


失恋同盟を結んだあの日から、野崎さんとはこうして屋上で話したり、部活がオフの時はお茶したりしている


初めて出来た女友達に内心嬉しくて堪らなかった



そんなキラキラした女友達、野崎さんに「携帯を持て」と言われ続けること2ヶ月弱。

お年玉も入った事もあり、高一の終わりにして初めてスマホを手にした。

連絡先を交換したのは野崎さんと治君と信ちゃんの3人だけだけど私にはそれで充分、世界が広がった感じがした。



家族以外の誰かと繋がる
私にとって、これは大きな変化だったから。



/ 220ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp