第2章 偶然か運命か
付き合う事になってすぐに脩二は自分から言った。
「…………最初に言っておく。僕はエッチっていうか、行為そのものが苦手で……正直あまり好きじゃないんだ。」
凛帆は少しショックだったが、手を繋いだり、危ない道を歩く時は肩や腰を引き寄せてくれるといった『スキンシップ』はある。恵比寿のマンションに泊まった朝には必ずおはようのキスをした。
「もちろん、子供が欲しくなったらちゃんと協力するよ。」
とも言ってくれているので「まあ、いいかな」と凛帆は妥協した。他には非の打ち所がない男性だから――――――
そういう行為がまったくなかった訳ではない。一年ほどのお付き合いの間で五本の指で数えられるほどだが関係はあった。
彼が自分で言ったとおり、ものの数分程度で終了して――――
「……ごめんね。」
だが行為の後、いつもしょんぼりと謝罪をしてくる脩二が凛帆は愛おしかった。