第4章 夏浅い海
駅前から5分も車を走らせれば海岸だった。
「まだガキどもが夏休みじゃないからな、空いてて貸し切りだ!」
「素敵!じゃ、早速!」
凛帆はバサリと白いワンピースを脱ぎ捨てた!
「わっ!ちょっ、な、何を!?」
慌てる脩一。
凛帆がワンピースの下に着ていたのは赤い水着!
「海に行くって言ったら、ヤング洋品店のおばちゃんがこれ、サービスしてくれたの!ウチでは売れないからって。」
「ひょ〜目の毒だっ………」
脩一はおどけて両手で目を塞いだ。
「気にしない、気にしないっ!」
「ちょっと待てっ!」
裸足で波打ち際に駆け出そうとする凛帆を脩一が止めた。
「お袋からビーサン、借りてきたから………」
「わっ、ありがとう!んっ?これビーチサンダルじゃないよ、『漁業用サンダル』通称ギョサン……」
「わあ!しまったあああ!」
「大丈夫、大丈夫。形が少し違うだけで機能はそう変わらないから……お借りするね。」
「ホント、俺は田舎もんだなあ………
さっ、気を取り直して俺も泳ぐぞ――――!」
Tシャツとハーフパンツを取り払うと日に焼けた逞しい脩一のカラダが露わになった。
(きゃ☆こっちの方が目の毒っ!)
人気のない初夏の海岸で子供の様にはしゃいだ二人………
「腹減ってきたなあ〜そろそろ上がるか!」
「うんっ!」
「いてっ!!」
凛帆の前を歩いていた脩一が突然立ち止まった。
周りの海水が血で赤く染まっている!
「どうしたのっ!?」