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婚外恋愛

第7章 逢瀬その7



「そ、そんなことないわ…どうしてそんな事聞くの?」
「全部知っているよ。美智のことならね」

「……」
「美智には悪いが、俺は探偵に美智の事を調べてもらったんだ」

「え?」

龍一はそう言うとジャケットの胸ポケットから写真を数枚出してきた。
そこには、中嶋や青柳、小林などと一緒にいる写真が映し出されていた。

「……」

美智は言葉が出てこなかった。

「最近はね、美智、ビデオなんだよ。そのビデオを俺は見たんだ」

そのスマホのビデオには青柳や中嶋と一緒にホテルに入る様子が撮られていたのだ。
美智は何も言えなかった。

尚も龍一は話始める。

「でも、その原因は俺にあるんだろう?」

美智は答えられなかった。

「俺が、美智のセックスを断り続けたせいなんだろ?」
「た、確かに、私はとても寂しかったわ…」

「わかっているよ。俺も悪かったんだ」
「そ、そんなことないわ。私が悪いのよ…」

「実は、俺、適応障害だと医者で言われたんだ…だから美智のことが抱けなかった…」
「そうだったの?龍一さん?何でもっと早く言ってくれなかったの?」

そうだと知っていれば、外に男など作らずに済んだだろう…と、美智は思っていたのである。

「今はもう適応障害の方は良くなっているんだ…」
「そうだったのね…」

二人はそう言うと黙ってしまった。
龍一はゆっくりと美智の手を握ってきた。

「美智、もう一度やり直さないか?」
「え?こんな私でいいの?」

「あぁ、構わないよ…」
「ありがとう。私は龍一さんのことが一番好きなんだもの…」

二人はそう言うと見つめ合っていた。
そして、二人は食事を済ませるとタクシーを呼んで家路に着いたのである。

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