第4章 逢瀬その4
数週間後…。
美智はこの日も小林と自宅で会う約束をしていた。
夫の龍一は会社の旅行で留守だった。
美智は小林を夕飯に誘ったのだ。
前回のセックスを美智は思い出していた。
あの言い知れぬ快感をまた味わいたいと思っていたのだ。
夕方6時に家のインターホンが鳴る。
「はーい」
「小林です…」
「さ、入って…」
「わかりました」
二人はそう言葉を交わすと部屋に入っていった。
近所の人に見られると困ると思ったのだ。
夕飯はすでに作ってあった。
今夜はサラダ、サバの味噌煮、野菜の煮びたし、豚汁、ご飯だった。
全て和食である。
夫の龍一が好むようなメニューであった。
美智は本当はこの料理を龍一に食べて欲しかったのだ。
だが、今夜も夫は留守である。
そんな寂しさからこの料理を作ったのだ。
小林はそんな美智の気持ちを知らない。
美智と一緒に食事ができる事を喜んでいる様である。