第4章 逢瀬その4
美智は他の恋愛小説も書いていた。
その感想なども小林はメールで言ってきていたのだ。
「こんな内容の小説書く人が女の人だとは思えなくて。1度会ってみたい」
そんな内容のメールが小林からきたのだ。
美智はちょっと小林のことが気になってきた。
どんな男性なのかと思ったのだ。
美智は自分の住所を小林に教えた。
夫の龍一は今週も1週間出張で家には帰ってこない。
今夜も2匹の猫と寂しい夜を過ごしていた。
美智はひとりで夕飯を食べた。
そんな時、小林から電話が来たのである。
「今夜、絶対に会ってみたいんだけど?」
「別に構わないけど。夫は出張で今週はいないし」
「なら、行っても大丈夫だね?」
「そうね…」
小林は美智に会いに来る気満々だった。
美智も小林に会ってみたいと思っていたのである。
美智の自宅は横浜市都筑区の港北ニュータウンのマンションの一角にあった。
マンションは3LDKの広さだった。
猫2匹と大人二人が暮らすには広すぎるくらいに広かったのだ。
夫の龍一は書斎を持っていた。
休みの日などはその書斎に1日閉じこもっていた。
美智はそれも悲しく思っていたのである。