第3章 逢瀬その3
最近、美智は夫の龍一の事を疑るようになってきた。
外に女でもいるのではないかと思っていたのだ。
そして、単刀直入に龍一に聞いてみたのである。
「なんで、セックスしてくれないの?」
「別に、今日しなくてもいいじゃないか?」
「じゃ、外に女でもできたの?」
「そ、そんな事ある訳ないだろ!!」
龍一はちょっと怒ったようにそう言ったのだ。
美智はとても悲しくなった。
そんなに自分は魅力的ではないのだろうか。
と、悩んだのである。
そんな時であった。
Facebookのメッセンジャーにメッセージが来ていたのである。
美智はFacebookをやっていたのだ。
美智の家には2匹の猫がいる。
1匹は三毛猫でもう1匹はチンチラのハーフだった。
どちらも女の子でとても可愛い顔をしていた。
そんな猫たちの写真などを毎日Facebookに投稿していたのだ。
その投稿を見ていたのが佐藤敏隆である。
佐藤は某大手化粧品会社の社長をしていて独身であった。
その佐藤からメッセージが来たのである。
「いつも拝見しています。良ければメールでお話ししませんか」