第2章 錯綜と交錯。
カーテンの隙間からさした朝陽の眩しさに、うっすら目をあける。
ぼやける視界いっぱいに褐色が見え、徐々に覚醒する脳が、昨日の情事の記憶を鮮明に呼び起こした。
な…、…なんてSEXをする人なの!!
信じられないくらいに、とんでもなく乱れたような気がする。
否が応でも顔に熱が集まってしまう。
そして、ふと身綺麗になっている自分の身体やベッドシーツに気づいた。
後処理までさせてしまったことに…青ざめる。
「ふはっ」
頭上で笑う声がし、ゆっくりと視線を上げると、降谷がおかしそうにこちらを見ていた。
「朝から百面相で忙しいな」
『あぁぁ、もう嫌ぁぁ…』
鏡なんか見なくてもわかる。
真っ赤になったであろう顔を両手で覆った。
よしよしとなだめるように頭を撫でられた。
「おはよう。無理させてしまった…身体は大丈夫か?」
『…す、少し気怠いくらい…大丈夫』
痴態の限りを尽くされた事を思い出し、顔を上げられないを引き寄せ抱きしめる。
ゆっくりと彼の顔を覗いてみると、至極幸せそうに微笑んでいた。
あぁ、もう駄目だと思う。
向けられる表情に、胸がぐっと苦しくなってしまうくらいに彼に惚れてしまっている。
愛しくて愛しくてたまらない。
ぴたりと合わさるあたたかい肌が心地良くて、ふわふわとした気分にひたった。
そんな幸福な朝だった。
❀第二章 完❀