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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷 零】

第1章 記憶と感覚。


どのように現状を打破するのが正解か。
喫茶店のお兄さんにこんな事を話しても意味がない。
警察はもってのほか、関わらない方が身のためだ。
さっきの今で頼りたくないけど沖矢とコナンに連絡か…こんな状況だから背に腹だ。

思案するを見つめていた安室は、何かを察し、車の後ろを確認する。

『あ、安室さん近づかないでください!!』

安室に駆け寄ろうとすると、逆に"来るな"と手で制された。
安室はスマホを取り出して、誰かに電話をかけている。

険しい表情だ。

通話を終えた安室に、少し離れたところに駐車してある安室のFDの助手席に乗せられた。

「ここで待っていてくれ」
『安室さんは…』

「大丈夫だ」と言い残して、爆弾の仕掛けられた車の方へと走って行く。

車内から外の様子を伺うと、店内放送と慌ただしい人々の喧騒が耳に届く。
辺りはしだいに物々しさに包まれていった。

『やっぱり爆弾だったのかな…』

保護や守るという言葉に現実味を感じてきた頃、立体駐車場に現れた車両に身体は強張った。

『……ちょっと、冗談じゃないっ…!!』

爆弾処理にやってきた警察車両のようだ。
何て事をしてくれたんだ!貼り付け営業スマイル男!!と心の中で思いっきり悪態をついた。
そんなをよそに、爆弾の解体作業は進んでいく。

記憶を失くした探偵らしくて、家に武器がたくさんあって、さらに携帯までしている。
そして車に爆弾まで仕掛けられてしまう人物…、怪しさ満点だ。

捕まる前に逃げてしまおうと、車を降りたところで安室に腕を掴まれた。

「大丈夫だ」
『大丈夫じゃない!』

数分前までと打って変わり、顔は青ざめて焦りを隠せもしない。背中が優しくさすられた。

「安心しろ」
『この後どうなるの…事情聴取とか調書とか取られるの?』
「どうしたいんだ」
『逃げたい…、何で警察なんて呼んだの…』

肩を両手で掴まれた、視線が合わさる。

「大丈夫だ、安心しろ、言っただろ」
『裏切ったら刺すわよ…』

左腿にあるナイフを確認した安室は、特に驚きもせずため息をついた。

彼はそんな事まで知っている。
どうすれば良いのか、黙って安室を見つめた。

おもむろにポケットからスマホを取り出して、誰かに電話をかけた。

「俺だ、上手くやってくれ」

そのたった一言で通話を切った。
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