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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷 零】

第4章 優柔と懐柔


風見にとっては想定外でしかない提案に、席を立ってあたふたとしている。

「ああ、良いにおいがすると思った。長居はできないが」
『良かった!準備しますから、風見さんもぜひ』

「遠慮しなくて良い」と降谷が告げると、風見が椅子に座り直した。
2人のやり取りを見れば、関係性はわかり易かった。

和食御膳をお盆にのせ『どうぞ召し上がれ』と2人の目の前に配膳をする。
2人ともあっという間に完食をして食事を終えた。
食後にお茶を出してから暫くすると、仕事に戻るとの事で見送りに玄関まで出ていく。

何度も頭を下げる風見に『今後ともよろしくお願いします』と伝え、風見がドアを開けてこちら側に背を向ける。
降谷に会うのは数日ぶりだし風見もいるしで、は落ち着かない。
このまま見送ってしまえば、次はいつ会えるのか、いつここに帰ってくるのかは不明だ。
風見が背を向けた今がチャンスと言わんばかりに、すかさず降谷のネクタイを引いて、軽く唇を合せてみる。
ふっと空気が柔らかくなったような気がして、降谷を見つめると、「行ってくる」と頭を撫でられて玄関は閉められた。

しかしそのやり取りが、風見の視界の端に抑えられていた事は誰も知らない。
あの降谷さんが…と、上司の意外な一面を知ってしまった風見だった。

そしてこの風見という男もまた、に振りまわされることになるとは現時点で知る由もなかった。








❀第四章 完❀
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