【NARUTO】Break&Peace ⑵【うちはオビト】
第9章 Dawn30.相思と相愛
しかし、唇を噛んでこの衝動に堪え、自分の気持ちを抑え込み、寸でのところでリンの頭に手を置いた。
鼬「リンには何度も助けられた。この命までも…。感謝している」
イタチはリンの頭をなでると、ゆっくり腕を下ろした。
鼬「だから…リンがくれたこの魂が俺に呼びかけるんだ」
リンは顔を上げ、不思議そうにイタチを見る。
鼬「君の想いはここにないと…」
鈴「!」
リンの心がチクリと痛む。
鼬「今行かなければ、お前は絶対に後悔する」
イタチは力強い眼差しを彼女に向けたが、リンは思わず目を逸らした。
すると、イタチはすぐにフワリと儚げに笑う。
鼬「行け、リン」
イタチは渋るリンの体を無理矢理"彼"の方へ向かせ、ポンッと背中を押す。
リンは前に一歩出たが、思わず振り返ると、イタチは微笑んで大きく頷いた。
彼女は後ろ髪を引かれながら"彼"の方へ走って行くも、やはりイタチをチラチラ振り返る。
鈴「……っ…」
リンはまた走り出す。
少し離れた場所で一度立ち止まり、もう一度イタチの方を振り返った。
しかし、そこにはもうイタチの姿はなく、緑色の葉がそよそよと風に揺れているだけだった………
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